Prologue

食物成分と免疫応答

 
生体に異物が侵入すると、生物はそれを抗原として認識し、その抗原に特異的に反応する抗体を作って、異物による障害からの防御を行います。このことを獲得免疫と言い、生体防御の重要な役割を演じています。しかし、この抗体との反応や急激なショック症状などの傷害作用が現れたり強められたりする場合があります。このような過激反応を起こすことを、アレルギーと呼んでいます。従来、食物の免疫応答については主にアレルギー反応が論じられており、食物の成分からアレルゲンを除去する加工が主として行われて来ました。
 
アレルギーとしての視点から考えると食物中にある抗原となる成分はマイナスの要因ですが、少し視点を変えて免疫系の刺激という考え方をすれば、特にⅣ型アレルギーに関与するような成分は、その反応がゆるやかであれば免疫を強化することになります。このような観点から食物成分の免疫細胞への作用を観察すると興味深い反応が得られます。実際、牛乳蛋白質のカゼイン、リン脂質の一種であるリゾリン脂質はインターフェロンを誘導しますし、リンゴやキウイなどの果物や、ホウレンソウ、タマネギ、ニンジン等の野菜はTNF産生促進作用や好中球の集積作用をもっています。
 
また食品成分の中には自然免疫と呼ばれる基本的な免疫応答を誘導したり、その機能を維持する成分が含まれる事も研究され、機能性食品に応用されてきています。
 
機能性食品の原料となる成分は、最初から活性をもった形で食品中に存在している顕在的なものと、不活性な母体が消化過程で分解されたり腸内細菌の働きによって生成するものが機能を持つもの、また食品成分に加工工程を経て機能を発現する潜在的形態のものなどが挙げられます。このような作用を応用した機能性食品が存在すれば、健康の維持、増進をはじめ疾病の予防や治療に広く応用することができます。

医療機関専用BRM-ARABIX for Medical Doctors

BRM

食物繊維(難消化性多糖)の免疫調整作用

 
食物中には種々の多糖類が含まれています。食物繊維(難消化性多糖)の多くに免疫調整作用、いわゆるBiological Response Modifier (BRM)としての働きがあることが報告されています。多くの場合はin vitro test(生体外試験)における効果ですが中にはヒト経口摂取による効果が認められているものもあります。近年、消化管粘膜の免疫器官としての機能が評価されつつありますが、それと合わせて食物中の難消化性多糖による免疫維持・向上作用の研究も進んでいます。食物として摂取した難消化性多糖は腸管を通過する時に消化管粘膜を刺激するか、腸内細菌の餌となり有用な生成物を産生するか、また一部は吸収され免疫システムに影響を与えていると考えられます。

Hemicellulose

糖鎖の豊庫 ヘミセルロース

 
難消化性多糖でもキノコや酵母由来のβグルカンについては様々な製品もあり、数々の知見が公表されていますので、まだ一般的な認知度がそれ程は高くないヘミセルロース系の機能性成分についてを以下に記載したいと思います。
 
ヘミセルロースは複数の糖から構成される複雑な構造を有する多糖です。種々な糖鎖をその構造中に有しています。まさに糖質の豊庫と言ってよいと思います。近年、糖鎖の研究が進み、生命現象の発現と維持における糖鎖の役割と重要性が認識されて来ています。特に多細胞生物の細胞表面に存在し、細胞間の情報伝達に重要な役割を果たしている糖鎖は生体の恒常性の維持に欠かせない物質です。
 
ヘミセルロースは主としてアラビノース、キシロース等の五炭糖(ペントース)で構成されています。この組織は植物特有の組織です。通常、食物として摂取する野菜や穀類のヘミセルロースは腸管を通過し排泄されます。ヘミセルロースが吸収され、糖鎖として細胞と関わりを持つことはないと考えられます。しかし、ヘミセルロースをパーティクル化し糖鎖が体内に吸収された場合、マクロファージのTLR2レセプターを介して反応が起こることが考えられます。ヘミセルロースはそれ程魅力的な潜在機能を有する糖鎖の豊庫だと言えます。

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白血球を刺激して免疫力を高めるヘミセルロースとは

 
白血球の免疫の働きを強化し活性化すれば(免疫力を高めれば)、癌などの病気の予防や治療に役立つと、最近になり考えられるようになってきました。そんな中、最も注目されているのが低分子化されたヘミセルロース免疫調整剤BRMです。この免疫賦活物質に、白血球を増やし免疫力を高める優れた働きのあることが、米国のM・ゴーナム博士によって発見されました。
 
一般的な物質アラビノキシランは、このイネ科植物に含まれるヘミセルロースという食物繊維の主成分です。
 
ところが、ヘミセルロースはそのまま食べても体内には吸収されずに、排泄されてしまいます。そこで、酵素反応を使って、ヘミセルロースをより小さく切って取り出し、濃縮した後スプレードライや凍結乾燥などの過程を通り微粉末処理(10億分の1ミリ単位)されます。そうして取り出された成分が低分子化されたヘミセルロース免疫調整剤です。酵素処理されたヘミセルロース免疫調整剤は分子が小さいので、小腸でよく吸収され、血液中にも入ることができます。低分子化されたヘミセルロース免疫調整剤が体内に入ると、白血球は見慣れない「よそもの」が入ってきたと認識します。実は、これこそが免疫力を高める秘訣で、体に一種の揺さぶりを掛けるわけです。もっと詳しくいうと、ヘミセルロース免疫調整剤が腸壁から侵入して、血液中の白血球のマクロファージやキラー細胞と出合うと、それらを刺激して、白血球を増加させたり、活性化させたりして免疫力を高めるのです。ことにキラー細胞では、ヘミセルロース免疫調整剤に刺激されることによってインターフェロンγという物質が作られます。この物質がキラー細胞内のパーフォリンの形成を促し、癌細胞への攻撃力を高めるというわけです。
 
実際、1ミリリットルの血液中に白血球が約3000個(正常な人は4000~8000個)しかなかった人が、低分子化されたヘミセルロース免疫調整剤を摂ったら、30分後に約5000個にまで増えたという報告があります。また、ゴーナム博士は、27人の進行癌の患者さんに、一日3グラムのヘミセルロース免疫調整剤を摂ってもらった結果、患者さんのキラー細胞の活性(働き)が、次のように高まったと報告しています。例えば、乳癌では154~332%、前立腺癌では174~385%、多発性骨髄腫では100~537%、白血病では100~240%、子宮頸癌では100~257%の割合でした。
 
低分子化されたヘミセルロース免疫調整剤のこのような免疫力を高める効果は、医療現場でも認められています。
 
※最新の免疫賦活成分「ARABIX」は医療機関専用です。エビデンス(科学的根拠)に基づいて開発された最先端の機能性成分です。

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