低分子化ヘミセルロースの効果

低分子化ヘミセルロースの効果

ディズニー映画に登場するアラジンの「魔法のランプ」は子どもたちに夢と希望を与えました。私も読者の皆さんに、新たな「魔法のランプ」を提供したいと思います。そのすばらしいランプは、化学物質でつくられたものではありません。私たちの身の回りの豊かな自然がはぐくんだ、天然の物質でできています。
 
私の「魔法のランプ」は動物実験で期待どおりの効果があることが証明され、さらに、私と共同研究を行っている数人の医者や研究者から受けた報告からも同様の効果が得られ、’実際に癌患者に投与した結果も出ています。それはまさに「魔法」という言葉があてはまるほど、エキサイティングなものです。
 
結論から先に述べましょう。
 
低分子化されたヘミセルロースは癌治療における宿命ともいえる副作用から解放してくれる、高度で全く新しい免疫調整物質「BRM」です。
 
低分子化されたヘミセルロースには白血球の中のNK細胞の活性を飛躍的に高める働きがあるので、ガン治療など免疫が関係する病気の現場で有効に利用できるのです。低分子化ヘミセルロースによって高度に活性化されたNK細胞は、24時間、頭のてっぺんから足のつま先まで、ガン細胞を認識したなら、幾度にもわたってガン細胞に闘いを挑んでいきます。
 
早期癌の場合は、低分子化ヘミセルロースの投与・摂取がとても有効に働いてくれるでしょう。低分子化ヘミセルロースはNK細胞を活性化させ、間接的にガン細胞を攻撃するだけでなく、直接、ガン細胞に攻撃を加えたりもします。
 
また、転移のある進行がんの場合には、まず、外科手術や抗がん剤治療で癌細胞を除去して大量に減らしたのちに、低分子化ヘミセルロースを投与・摂取すれば、手術や化学療法からのがれた癌細胞はNK細胞の標的になって破壊されるので、癌の再発・転移を防いだり、体力回復へと導いてくれるでしょう。
 
それでは、低分子化ヘミセルロースがどのようにしてNK細胞を活性化させるのかというメカニズムと、すぐれた活性化の証拠を示しましょう。
 

自然界に存在する天然物質が原料

 
低分子化ヘミセルロースの原料はどのような物質でしょうか。アラビノキシラン、あまり聞き慣れない物質名だと思いますが、実は自然界に広く分布し、私たちの身近にある稲や小麦、トウモロコシなどのイネ科植物に多く含まれている免疫調整物質と称される成分です。
 
一般の植物には動物のように骨格がありません。それでも、根を生やし、太陽と大空に向かってしっかり立っているのはなぜかというと、それは、一つ一つの細胞がしっかりとした強固な壁を持っていて、それが植物の体を支えているからです。
 
この壁、つまり、細胞壁を構成している材料の一つが「ヘミセルロース」と呼ばれる高分子の糖質で、「食物繊維」と呼ばれているものの一種です。この、イネ科植物のヘミセルロースの主成分がアラビノキシランです。
 
ヘミセルロースは米や麦の種子の成分ではなく、あくまでも種子を保護している物質にすぎません。栄養学的に見れば、さしたる栄養価もなく、むしろ食味をそこなうことから、精米、製粉の過程で除去されてしまうのが一般的です。いってみれば、ヘミセルロースは長い間、邪魔者扱いされ、無視されつづけてきたという悲運な歴史を歩んできました。
 
ところが、米ぬか由来のヘミセルロースを変性させた低分子化ヘミセルロースには、ほかに類をみない免疫強化作用が発見されました。
 
ヘミセルロースは複数の種類の単糖によって構成されているヘテログリカンで、とても複雑な構造をした物質です。分子量もセルロースほど大きくなく、セルロースをコンクリートブロックにたとえると、ヘミセルロースはブロックとブロックを接着させるセメントの役目をしている物質といえましよう。
 
このヘミセルロースの中で、免疫調整物質として注目されるのが、米ぬかヘミセルロースBと呼ばれる成分です。米ぬか100g中に3~5mgほど含まれていて、水にとける性質を持っています。構造的には、キシロースの大きな枝から、アラビノースの枝が分かれて、それぞれの枝にガラクトースやグルコース、ウロン酸などの小枝や葉がついているようにとても複雑ですが、ヘミセルロースの中でも特に低分子の部類に入ります。化学構造上、人間の消化管では消化されることはありませんが、そのままの形で消化管から吸収されることは十分にあるので、免疫調整物質としては、きわめて興味深い物質です。
 
これまでに免疫を強化する物質、すなわちBRMに関して多くの研究報告がなされてきました。植物由来のBRMも数多く報告されています。これらの物質はすべて高分子物質であり、血液中に吸収された際、抗原提示細胞によって異物として認識され、免疫系が活性化されます。
 
特に、種々のキノコの細胞壁成分であるβ-1・3グルカンや酵母のα-1・6マンナンなどは、その活性が強いとされますが、これらの中で、経口投与で効果のあるものはごく少数にすぎません。それは、消化管で吸収されにくい分子構造になっているからです。いくらBRMとしてすぐれた働きを持っていたとしても、体内に吸収されなくては役に立ちません。
 

自然の物質からつくられる

 
では、低分子化ヘミセルロースはどのようにして抽出するのでしょうか。
 
米ぬかヘミセルロースBは、高度に枝分かれした複雑な糖組成を持っています。その主な構成糖はアラビノース、キシロースですが、そのほかにも、ラムノース、ガラクトース、マンノース、グルコース、ウロン酸、グルクロン酸などが含まれています。
 
このうち、アラビノース、キシロース以外の構成糖を、酵素を用いて加水分解することによって、より純粋な低分子化ヘミセルロースを得ることができます。特にこの酵素反応に関与する炭水化物分解酵素は反応温度も低く、非常にマイルドな条件下で反応が進みますから、元来持っている複雑なヘミセルロースの基本構造をそこなうことなく、反応性に富む低分子化ヘミセルロースを得ることができます。
 
低分子化ヘミセルロースの分子量は3000~5000ダルトン程度で、食物繊維としては分子量がきわめて小さいことが特徴です。
 
アラビノース、キシロースはいずれも炭素が5個の5炭糖と呼ばれる単糖に所属します。
 
自然界に存在する糖類は、炭素が6個の6炭糖によって構成されている糖類が一般的です。ブドウ糖、果糖、ガラクトースなどは6炭糖ですし、デンプンはブドウ糖の重合体です。また、砂糖はブドウ糖と果糖とでできています。多くの細胞壁成分であるβ工りグルカンもブドウ糖の重合体です。私たちが日ごろ食べている糖類や医薬品として使われている糖類も、6炭糖が主流になっています。
 
ですから、ほとんど5炭糖のかたまりのような低分子化ヘミセルロースは、私たちの摂取する植物の成分としては、非常に珍しい種類ということができます。
 

強力な免疫強化作用を持つことが実験で証明された

 
前述したように、低分子化ヘミセルロースの免疫強化作用については、主にNK細胞との関係において検討されてきました。
 
まず最初に、科学的な段階を踏んで動物を用いて有効性と安全性について検討を行いました。低分子化ヘミセルロースは、抗がん剤のように化学的に合成された物質とは違い、自然界に存在する米ぬかの抽出物ですから、予想どおり安全性の高いものでした。
 
ラットの急性毒性試験では、経口投与でLD50>36g/㎏(砂糖はLD50>20g/㎏)であり、安全性においては普通の食物と変わりない数値です。
 
効果試験では、同じくラットでNK細胞活性が上がりました。
 
その後、ヒトに対する安全性の試験とNK細胞活性試験を行い、これも同じように安全性とNK細胞の活性効果が確認されました。
 
現在はがん患者を中心に試験を重ねています。
 

●ラットのNK細胞活性に対する効果

 
[要約]ラットのNK細胞活性に対する低分子化ヘミセルロースの効果を調べた。
 
スプラーク・ドゥリーラットに低分子化ヘミセルロースを投与し、4日後と2週間後にNK細胞の活性を検査した。A.M.Dの効果は高く、投与量に比例して高かった。ラットを4グループに分け、一番目のグループは普通のえさ、二番目のグループは低分子化ヘミセルロースを0.5㎎/㎏(ラットの体重1㎏あたり0.5㎎)、三番目のグループは5㎎/㎏、四番目のグループは50㎎/㎏をそれぞれえさとまぜて1日に食べさせた。4日後と2週間後にラットの心臓から血液をとり、NK細胞活性を調べた。
 
4日後の活性は多少上がり、2週間後のNK細胞の活性は一番目の対照群と比較して、二番目のグループは119%、三番目のグループが130%、四番目のグループが142%であった。
 
低分子化ヘミセルロース効果のオス、メスの比較では、メスのラットがオスのラットよりもNK細胞活性が高くなる反応を示し、メスの活性増加は162%、オスは135%だった。NK細胞活性は前二つの実験と同じく、活性NK細胞対ガン細胞比(エフェクター対ターゲット比。E:T)=60:1で行った。
 
[結論] NK細胞活性の増強で明らかなように、低分子化ヘミセルロースは有力なBRMであることが判明した。増強効果は投与4日後には認められた。興味深いことに、NK細胞の数を増加させずに、低分子化ヘミセルロースのNK細胞活性が強くなることが認められた。
 

●5人の乳がん患者における低分子化ヘミセルロースの免疫調整および抗がん作用

(International Cinference "Cancer the interference between basic and applied research" Sponsored by American Association for Cancer Research Baltimore, Maryland Nov.5-8,1995)
 
5人の乳がん患者に1日3gの低分子化ヘミセルロースを投与し、NK細胞活性を4時間のCr51(クロム51)遊離測定によりK562ガン細胞を標的として調べた。
 
その結果、NK細胞活性基礎値が、12.7~58.3%と低い患者に低分子化ヘミセルロースを投与したところ、NK細胞活性値が41.8~89.5%へと好転した。NK細胞活性の増加は試験開始後1~2週間以内にみられ、低分子化ヘミセルロース投与の継続によりさらに増大した。早い時期(6~8ヵ月前)からこの試験に参加している2人の患者では、ガンの完全寛解がみられた。
 
私たちの研究では、低分子化ヘミセルロースがNK細胞活性を高度に増加させ、また特筆すべき副作用がないことから、低分子化ヘミセルロースが有望なBRMであると結論づけた。また、化学療法と低分子化ヘミセルロースによる免疫療法の併用は、ガン患者の治療に有用であると考えられる。
 

米国カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校UCLA/DREW医科大学
免疫学教授 マンドゥ・ゴーナム博士
医療機関専用BRM-ARABIX for Medical Doctors